2005年11月24日木曜日

「美の基準にも勝ち組と負け組がでてくる」(脳科学者、茂木健一郎)



今晩の日経「あすへの話題」コ ラムで、茂木健一郎氏は、アンディー・ウォーフォールの絵と寿司屋の宝船を比較して、脳科学的且つ哲学的な論考を広げられている。

抜粋:
  1. アンディー・ウォーフォールの「フラワー」は二時間見ても飽きなかった。
  2. その夜、寿司屋に行ったら宝船が飾ってあったが、ウォーフォールに比べるとあか抜けない。
  3. ウォーフォールと宝船の運命を分けたものは何か?
  4. この世に絶対的な美の基準はない。美は、脳の中の記憶と感情のシステムが複雑に絡み合って、長い時間をかけてゆっく りと作り上げられる「フィクション」なのである。
  5. ところがこのフィクションがあたかも絶対的な地位を持つように感じられるにいたる。
  6. グローバリズムの中、美の基準もグローバル化している。その中で、美の勝ち組と負け組がどうしてもでてくる。価値は 平等だとは言っても、「中心」と「周縁」の差は生まれる。

身も蓋もない話だが、真実は往々にして身も蓋もないものなのである。勇ま しいニッポンナショナリストたちも、あまり夜郎自大にならない方がいい。

なぞなぞ(行政改革系)「“みどりのおばさん”の年収はいくらでしょうか?」



今日の日経夕刊読書欄で仕入れたなぞなぞ。

答:東京世田谷区の場合で、年収は790万円とのこと。

他にも、給食のおばさんが850万円、公用車の運転手が1050万円とか書いてあった。

元データーはこの本にあるという:

不滅の「役人天国」 Undying Official's Paradise All Over Japan
4334933653斐昭

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話半分にしても、すごいね。

2005年11月22日火曜日

なぞなぞ(式典系):テープカットの時どうしてテープは地面に落ちるのでしょうか?



最近気になっていることがある。どっかで博物館なんか出来ると、開館式だと言ってテープカットがにぎにぎしく行われる。数名の来賓代表が一緒にテープを切るのだが、必ず切ったテープが地面に落っこちてしまうのだ。ちょっとカッコワルイ。なぜこういう事態が続くのか?

みんなが左手にテープを持ち右手の鋏でカットする限りこういうことは起こらないはず。ということは、左利きの人が混じっているのだ。左利きの比率とはそんなに高かったのか?

さっそく検索してみたら、こんなページが見つかった。

利き手の検査方法とデータ 。曰く:



鋏を左手で使う人は7.5%とのこと。でもテープを切る人はいつもせいぜい数名だし、それにしてはテープが地面に落ちる確率が高すぎるように思う(見るたびに落ちてるもの)。

同じページでこういう記述があったので、一応これで説明できるのだと言うこととする:



来賓には芸術家が多いのであった!


2005年11月15日火曜日

「頭がいい」とか「あいつはバカだ」といった知性にかかわる判定は「言ったもん勝ち」なのである{内田樹)



finalvent さんが言及されていた記事だけれど、なかに面白い言葉があったので、さっそく名言集に収 録。

何かコメントを付けるべきなん だろうけれど、あんまりアタマよくないので、気の利いたコメントが出来ない。残念。

2005年11月13日日曜日

NHK新日曜美術館「ダヴィッド」……佐藤亜紀という人が面白かった



今日の新日曜美術館。ダヴィッドがテーマだったが、とてもよかった。ナポレオンとかフランス歴史がテーマとくると、例によって解説は○カシナ先生か△バヤシ先生かと思ったら、見慣れない女性が独特の口調で喋りまくっている。これがすごいのです。

ダヴィッドが描いた息子に死刑を宣告したブルータスを題材にした絵画の解説で、処刑されて戻ってきた息子の死体のサンダルの色に着目し、「これだけ派手なサンダルを履く男は並でない自信を持った立派な若者だったはず、家族の誇りだったことが想像される、だから一層悲しみが深まる」とおっしゃったのには、正直驚倒。目からうろこであった。他にも二塁打三塁打どんどん連発。

いったいどういう人物なのか、調べてみるとSF?小説家とのこと。その分野ではとても有名な方らしい。ブログ↓も書いてられる。さっそくRSS購読。

http://tamanoir.air-nifty.com/jours/ 

ホームページは↓

http://home.att.ne.jp/iota/aloysius/tamanoir/index.html 


後生畏るべしだね。

Posted: Sun - November 13, 2005 at 10:36 AM   Letter from Yochomachi   展覧会   Previous   Next  Comments (7)  

2005年11月8日火曜日

「仮面の弱者を許容せず“真の弱者”を絞り込め」(田中直毅)




今朝の日経経済教室で田中直毅 が書いている。曰く:
公務員(政府)が行う郵政事業に関して、社会(過疎地など)の弱者保護と結びつける民営化反対論を排除 したのが先の選挙であったとすれば、「真の弱者」を絞り込み、55年体制のもとでの仮面の弱者を許容しない基準が不可欠となろう。

本当の弱者への支援が、「2005年体制」のきわめて大きな課題となる と。同感。

最近こんな本を書かれたそう だ。
二00五年体制の誕生
453235188X田 中 直毅

日本経済新聞社出版局 2005-11-09
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「2005年体制」というのは、言えていると思う。経済は歴史的な視点で 考えないといけないのである。

Posted: Tue - November 8, 2005 at 06:08 PM   Letter from Yochomachi   名言(迷言)集   Previous   Next   Comments (4)  

2005年11月1日火曜日

無段階変速器(CVT)は自動車を電車に変えた?



散人は旧世代の人間だから、クルマの変速器はマニュアルで当たり前の時代に育った。でもそのうちATが当たり前になってやっと慣れたと思ったら、いまや時代はCVT(無段階変速器)の時代になっている。最初かなり違和感があったが、なかなかいい。もうこっちの方がよくなってしまった。ちょっとしたコツを。

アウディA4カブリオレには「マルチトロニック」というアウディ社独自のCVTが付いている。これはエンジン縦置きFF車だけにしか付いておらず、クアトロ(4駆車)には装備されていない。スチールベルトと可変プーリーの組み合わせによる無段階変速器だが、滑らかで慣れるとすこぶる快適。

さらに、従来のCVTでは、エンジンの回転アップとクルマの加速に一瞬のタイムラグが生じる欠点があったのだが、このマルチトロニックは:
マルチトロニックは、「ラバーバンド」現象を排除することに成功した最初のCVTトランスミッションであったというもう1つの強みを持っています。 「ラバーバンド」現象とは、アクセルを踏み込んだときに瞬時、エンジンが空転して有効な加速が得られないという、その当時の無段変速機に見られた好ましくない症状でした。

とのことで、なかなかリスポンスはいい。でもやっぱりマニュアルとか従来型のATよりは鈍い「感じ」がする。理由は何なのか、回転計を見ながらいろいろ試してみた。

まずアイドリング時だが、回転数は700回転。クルマを普通にゆっくり発進させると回転計は1300回転に上がる。そのまま時速50キロ程度のスピードまで回転数は1300回転のまま変化しない。またブレーキを踏んで速度を落としても1300回転のまま。変速器のギアレシオが微妙に変化することで速度変化に対応しているのだ。

ちょっと余分に加速しようとアクセルを踏むと、回転は2100回転に上がるが(もう一息踏むと3000回転になるが)アクセルを戻すとまた1300回転に落ちる。つまり都会で時速50キロ以内で走っている限りはエンジンの回転数は1300回転で一定なのである。違和感の原因はここにあった。つまりトルクが低い1300回転が基準になっているから、足の指にちょっと力を入れる程度の加速では加速感がもの足らなかったのである(アクセルを踏み込めばいいのだが、そうすると一挙に2100回転になり今度はびっくりしてしまう)。

都内で頻繁に車線変更をする必要がある場合、微妙な加速が結構大切(車線変更をする場合、車は斜めに余分に進まねばならず、加速しないと後ろのクルマが近づいてしまう)。どうしようかと考えていたら、アウディには普通の「D」モードに加え、「S」モードというのがあるのに気が付いた。今まで使ったことのないモードだが、やってみると、あらあら驚き。「D」モードでは基準の回転数が1300回転であったのが、これが2100回転になるではないか。つまり「S」モードにしておけば、エンジンは常に2100回転で回っている。これなら微妙な加速も自由自在ということになる。やってみると車線変更が格段にやりやすくなった。

山道などでもっとトルクが必要なときはどうするかだが、これを応用する。つまりマニュアルモード(ノークラッチ)に変え、回転計を見ながら常に3000回転になるように「+」と「−」ノブをコツコツやって調整しておればいいのである。「回転数がはじめにありき」で、ギアはそれにあわせる。そういえば、レーサーなどはそんなことをしていると読んだこともあったが、今回自分で発見したのでご披露。これ結構役に立つよ。

それにしても無段階変速とは、いままでの速度が上げるのにエンジンの回転数がジグザグに上がるのが当然と思っている散人のような旧人類にとっては、なんとも不思議な世界だ。まるで電車の運転をしているような感じ。時代の変化は激しい。